著作権法2010年改正
私的利用のダウンロード
違法化


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池袋東口法律事務所

★2010年1月から、私的利用のダウンロードが一部違法になりました。

 2009年以前は、個人がする著作物のダウンロードは私的利用のための複製として通常は合法でした。

 しかし、これは当サイトでも警鐘を鳴らしていたところでもありますが、違法な着メロや着うたなどがネットに氾濫した影響もあり、今後は一部の形での著作物のダウンロードは、私的利用のための複製といえなくなり、複製権の侵害として違法とする法改正がなされました。

 下記の【★a.b.c.すべての】条件を満たすダウンロードは、私的利用のための複製にならず、複製権の侵害として違法になります。

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a.著作権を侵害する自動公衆送信(国外で行われる自動公衆送信であって、国内で行われたとしたら著作権の侵害となるべきものを含む。)を受信して行うb.デジタル方式の録音又は録画を、c.その事実を知りながら行う場合』

 この場合、私的利用のための複製ができません。(改正著作権法30条3号)

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★a.第一に、著作権を侵害して自動公衆送信された著作物のダウンロードであること。

 要するに、ネットで不特定多数に向けて公開されている違法ファイルについての話です。

 つまり、著作権者の了承を得て合法に公開されたファイルは規制の対象外で、ダウンロードは合法です。しかし、例えば誰かが勝手にUPした着うたやテレビ番組は、著作権を侵害して自動公衆送信された著作物にあたりますから、規制の対象になります。

★b.第二に、著作物を「デジタル方式」で「録音又は録画」しての複製(ダウンロード)であること。

 ここが難しいところなのですが、今回の法改正は、ネットから著作物を複製(ダウンロード)することすべてを、私的使用のための複製でないとして、違法とするものではありません
 著作物を「録音又は録画」して複製(ダウンロード)することだけを、私的利用のための複製でないとして、違法とするものです。

 例えば、違法にUPされた文章や絵画、漫画などの著作物をダウンロードすることは、著作物の複製ではありますが、単なる複製であって、「録音又は録画」しての複製ではないので、私的使用のための複製ができ、ダウンロードは合法です。

 しかし、違法にUPされた着メロ、着うた、音楽(mp3ファイルなど)、映画、テレビ番組などの著作物をダウンロードすることは、著作物を「録音又は録画」しての複製にあたり、私的使用のための複製ができず、ダウンロードは違法です。

 ゲームの著作物については、禁止の対象ではないというのが一般の理解のようです。しかし、ゲームの中には音楽が入っているために、無理をすれば著作物を「録音又は録画」しての複製と解釈できないこともなく、未だ裁判例もないので、確かなこともいえません。今後の推移次第と思います。

 なお、「録音・録画」しての複製と、単なる複製の区別の詳細については、著作権法2条に定義規定があります。

★c.第三に、著作権を侵害して自動公衆送信された著作物と知った上でのダウンロードであること。

 つまり、違法ファイルと知らないでダウンロードすることは合法ということになります。

 ここで問題なのは、知っているか知らないかというのは、かなり主観的な話なので、証明が難しいということです。
 例えば、本当は違法ファイルだと知ってダウンロードしたのに、「知らなかった」といえば、権利者はその人が違法と知ってダウンロードしたことを証明できず、法律上「知らなかった」扱いになり、ダウンロードは合法ということになるのでしょうか。
 確かに、実際上、そういうケースがでてくることは予想できます。
 しかし、もし何か問題が起きたときに「知らなかった」と主張すれば、それで言い逃れができる、という単純な話でもありません。
 例えば、WINNYやSHAREなど、違法ファイルも共有するソフトを使っていたことが何らかの形でわかれば、そんなソフトを使っていた位だから知らないわけないでしょう、当然知ってましたよね、という話になり、違法ファイルと知った上でダウンロードしたことが裁判上証明がされる可能性はありますし、他にも証明の方法は考えられ、決して安心はできません。

 法律上「違法ファイルと知った上でのダウンロードは違法」「違法ファイルと知らないでのダウンロードは合法」ということですから、法律を守るというスタンスを基本とするならば、これを踏まえるのが原則だと思います。

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※youtubeやニコニコ動画などの動画サイトでの違法ファイルの視聴について

 政府の見解では、一般にストリーミングといわれる方法でのダウンロード(普通にyoutubeをサイトで見る形での視聴)は、著作物の複製を伴わない著作物の利用であり、そもそも複製権の侵害はなく、著作権を侵害した著作物をダウンロードしても合法ということのようです。(要するに、普通にyoutubeをサイトで見る形での視聴は全て合法)

 ただし、単にストリーミングとして見るのではなく、専用のツールを使って、著作権を侵害した著作物を自分のPCに録音・録画の形でダウンロード(動画・音楽ファイルとして保存)することは、今回の法改正による禁止の対象です。上記の★a.b.c.の条件を満たすと私的使用にあたらず、複製権の侵害になりますから、利用にはくれぐれもご注意下さい。

※罰則について

 違法ファイルのダウンロードに、刑事罰(罰金・懲役など)はありません

 わかりやすくいうと、違法ダウンロードについての著作権法違反だけであれば、警察や検察が出てきて逮捕されるとかいう話ではないということです。

 もちろん、著作権者からの民事的なアクションはあり得ます。(損害賠償請求、差止め請求、廃棄請求など)

 

(※新しい法律のため、このページは、速報的な趣旨であり、暫定的な内容です。今後裁判例などが出次第、補足いたします。)



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